20234/6
日本料理の伝統と革新というテーマの伝統とは
4月になり、桜も満開、もう散り始めている頃でございますが、
今月も装い新たに、新献立の御料理をお作りさせて頂いております。
4月の椀物は、この時期の王道、うすい豆のすり流し。
古くから日本料理で受け継がれている調理で、
ボイルしたうすい豆を一粒ずつ薄皮を剥いていき
その後丁寧に裏漉ししていきます。
時間と手間のかかる仕事ですが、ひとつひとつを大切にすることによって
お客様の前に出たときに、その素材がもつ素晴らしさが輝くと考えています。
合わせるのは下から、春の桜を感じさせる道明寺粉
その上に、鱗を付けたままカリカリに揚げた甘鯛松笠揚げ
春の山菜のこごみと桜の花を塩漬けにしたものになります。
薄く葛を溶いて仕立てております。
阿倍野安来家のテーマでもある「伝統と革新」
その伝統の部分を存分に味わって頂けるお椀になるかと思います。
古きを大切にしつつ、しかしながら変化することも恐れず、
何を守り何を創造していくかを、しっかりと見極めながら
精進していきたいと思っております。