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九月に入り、秋のお彼岸が近づいてまいりました。

ご家族やご親族でお参りをされ、そのあとに皆様でお食事を囲むご予定をお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今年、2026年の秋のお彼岸は、9月20日から26日まで。

9月23日の秋分の日を中日として、前後三日ずつを合わせた七日間です。

ご先祖様や大切な方をしのび、手を合わせるこの時季は、久しぶりに顔を合わせた皆様が、ゆっくりと言葉を交わす機会にもなります。

思い出を語り合ったり、互いの近況を聞いたり。

そんなお集まりのひとときに、安来家の御料理を添えていただけましたら幸いです。

大阪・阿倍野の安来家では、お彼岸のお食事に、仕出しの折詰弁当や松花堂弁当、店内での懐石料理をご案内しております。

お持ち帰りでのご利用には、写真のような折詰弁当がおすすめです。お一人様ずつの折に御料理を詰めたお弁当は、お集まりのあと、それぞれにお持ち帰りいただく際にも選んでいただきやすい形です。

皆様で同じ席を囲むお食事とはまた違い、お持ち帰りには、その場に長くいられない方にも御料理をお渡しできるよさがあります。お参りのあとのご予定がそれぞれ異なるときなど、お集まりの形に合わせてお選びください。

一方、お集まりの席でゆっくりお召し上がりになる場合には、器でご用意する松花堂弁当もおすすめしております。

折詰とはまた趣の異なる器のお弁当に、お吸い物も添えてお楽しみいただけます。

御料理を味わいながら、お吸い物をひと口。器を前に腰を落ち着けていただくお食事には、会話を交わしながら過ごす楽しみがあります。お持ち帰りを中心にお考えでしたら折詰弁当を、お席でお吸い物とともに召し上がるなら松花堂弁当を。どちらがよいか迷われる場合も、ご利用の場面をお聞かせくださいませ。

お彼岸の時季には、お寺様からのご注文も多数お受けしております。

大切なお集まりのお食事を安来家にお任せいただけますことに、心より感謝申し上げます。

お寺様でのお集まりも、ご家族でのお食事も、人数やご予算、お食事の時間はそれぞれです。

法要やお参りのご予定に合わせて準備を進めるなかで、「この予算でお願いできるだろうか」「この時間に合わせられるだろうか」とお考えになることもあるかと存じます。

ご予算やお時間などにつきましては、まずはお気軽にお問い合わせくださいませ。

ご希望を伺い、できるかぎりお応えできる形を検討させていただきます。

ご相談の際に、お日にちや人数、ご希望のお時間などをお知らせいただけましたら、ご案内がしやすくなります。

もちろん、ご来店でのご利用も大歓迎です。

お参りのあとのお食事や、ご親族がおそろいになる機会に、安来家の懐石料理はいかがでしょうか。

一品ずつ御料理を味わいながら、皆様でゆっくりとお過ごしいただけましたら、私どももうれしく存じます。

大切な方を思い、今ここに集えるご縁を感じるお彼岸。

食卓を囲む時間が、皆様にとって心に残るひとときとなりますように。

仕出しでも、ご来店でも、お集まりの場に合った形で安来家の味をお楽しみくださいませ。

九月は、旧暦で「長月」と呼ばれる月。まだ暑さを感じる日もありますが、暦や草花に秋の訪れを感じる頃です。

安来家では今月、九月九日の「重陽の節句」をテーマに、季節の懐石料理をご用意しています。

重陽の節句は、五節句のひとつです。古くから縁起がよいとされた陽の数のうち、最も大きな「九」が重なることから「重陽」と呼ばれます。長寿を願う菊との結びつきが深く、「菊の節句」という名でも親しまれてきました。

桃の節句や端午の節句に比べると、今では耳にする機会が少ない重陽の節句ですが、季節の節目に健やかな日々と長寿を願う心は、今の暮らしにも静かに寄り添います。安来家の九月の献立も、その心を一皿ごとに映していきます。

菊の着せ綿に、健やかな願いを込めて

写真の右上に添えているのは、重陽の節句を象徴する「着せ綿(きせわた)」です。

着せ綿とは、重陽の前夜に菊の花へ真綿をかぶせ、夜露と菊の香りを綿に移す古くからの風習。

翌朝、その綿で身をぬぐい、無病息災や長寿を願ったと伝えられています。

ふんわりと綿をまとった菊の姿は、それだけでも愛らしいものです。

そこに込められた意味を知ると、昔の人々が花や露に託した願いまで身近に感じられます。

料理そのものだけでなく、こうしたしつらえも日本料理の季節を伝えてくれます。

季節の行事に込められた願いを、御料理の席でも感じていただけるように。九月の懐石の始まりに、菊の着せ綿をしつらえました。先付を前にしたとき、まず目で菊の節句の趣を味わっていただけましたら幸いです。

粟麩の白和えと、秋鱧のとろろ和え

左の器は、粟麩と柿、シャインマスカットの白和えです。

粟麩は表面を炙り、もちもちとした食感を楽しんでいただけるようにしました。

柿とシャインマスカットを合わせたフルーツの白和えですので、白和え衣には少量のクリームチーズを加えています。

果実と白和えがなじみよく重なり、その中に粟麩の食感が加わります。

仕上げには柚子の皮を振り、ひと口ごとに香りが立つようにしています。

粟麩、柿、シャインマスカット、それぞれの食感をひとつの白和え衣がつなぎ、最後に柚子の香りが残ります。

小さな器の中でも、口に運ぶ組み合わせによって異なる味わいを楽しんでいただけます。

右側は、蛇腹胡瓜と鱧の唐揚げのとろろ和えです。細かく蛇腹に切った胡瓜を土佐酢にくぐらせて盛り付け、その手前にカリッと揚げた鱧を添えています。

鱧といえば夏の印象が強い魚ですが、秋の鱧は夏よりも脂がのっておいしいともいわれます。

その鱧に、土佐酢と混ぜた山の芋を上からかけ、黄身酢と鰹節で仕上げました。

蛇腹胡瓜の歯ざわり、鱧の唐揚げのカリッとした食感、山の芋のとろろ。それぞれを味わったあとに、ひとつに和えて召し上がっていただくと、食感と味わいの重なりが変わっていきます。

黄身酢の風味や鰹節の香りも含め、食べ進めるほどに移ろうひと皿です。

先付は、これから始まる懐石の最初にお出しする御料理です。

ひと目で季節を感じ、ひと口の中でいくつもの香りや食感に出会っていただくことが、その後に続く御料理への楽しみにつながるようにと考えています。

白和えでは、炙った粟麩のもちもちとした食感に、柿とシャインマスカット、柚子の香りを。

とろろ和えでは、胡瓜と鱧の異なる歯ざわりに、土佐酢、黄身酢、鰹節の風味を。

九月の先付は、菊の節句の趣とともに、味はもちろん、香りや食感の変化まで楽しんでいただけるようお作りしています。

安来家では、店内の懐石料理だけでなく、仕出しの折詰弁当や松花堂弁当でも、同じように季節替わり・月替わりの御料理をお届けしています。

ゆっくりと懐石を囲むひとときに、また、ご自宅やお集まりの席でのお弁当に。

お好きな楽しみ方で、九月ならではの安来家の味をお召し上がりください。

8月も、もう終わりを迎えようとしています。暦は処暑を過ぎましたが、日中にはまだ厳しい暑さが残り、涼やかな味わいがうれしく感じられる頃です。一方で、朝夕の空気や少しずつ短くなる日の長さに、次の季節の気配も見え始めます。

夏をきっぱりと終えるにはまだ早く、けれども秋は少しずつ近づいている。

八月の末には、そんな二つの季節が重なる趣があります。

今の季節を最後まで味わいながら、その先にある秋を思うのも、この時季ならではの楽しみです。

2026年は8月23日が処暑、9月7日が白露です。処暑は暑さがおさまる頃、白露は草に露が宿る頃とされ、8月の終わりは、まさに夏から秋へ渡っていく途中にあります。

実際の暑さは暦どおりにはいかないものですが、日本料理の献立は、こうした小さな季節の変化をひと足早く映していきます。

安来家でも、9月を迎えると御料理は一気に秋へと移ろいます。

そこで今回は、秋の献立へ進む前に、夏本番の8月にお出しした先付をご紹介いたします。

青い器で始まる、8月の先付

会席の始まりに、爽やかな印象をお届けしたいと考え、盛り付けには青い器を選びました。

器の中には、夏が旬のスズキと、茄子、トマト、パプリカ、アスパラガス、ラディッシュ。

夏野菜のさまざまな色が、青の器の中に浮かぶように。

色も形も異なる夏野菜を少しずつ盛り合わせると、ひと皿の中に八月の鮮やかさが広がります。

そこへ青い器が加わることで、御料理をお運びした瞬間から涼を感じていただけるようにしました。

お箸をつける前の眺めも、先付の味わいの一部です。

スズキと夏野菜の上からかけたのは、土佐酢のジュレです。

土佐酢をジュレにすることで、涼やかな夏の仕立てにしました。

その上に、黄身酢をぬった車海老を飾り、蓮根チップを添えて完成です。

最初のひと口は、ぜひそのままでお召し上がりください。スズキ、夏野菜、土佐酢ジュレ、黄身酢をぬった車海老を、それぞれの取り合わせとともに味わっていただけます。

そして途中からは、別添えの酢橘を絞って。酢橘の香りと酸味が加わり、同じひと皿の中に新しい表情が生まれます。はじめの味わいと、酢橘を添えた後の味わい。その変化も、この先付の楽しみのひとつです。

お客様ご自身の頃合いで酢橘を絞っていただくことで、食べ進める時間にも小さな変化が生まれます。最初からすべてを一つの味にせず、ひと皿の途中にもう一つの楽しみを残しておく。夏の先付を最後まで軽やかに召し上がっていただくための趣向です。

先付は、これから始まる会席への期待を込めた最初の御料理です。

暑さの盛りには、器の色や土佐酢ジュレ、酢橘までをひとつの流れとして考え、目にも口にも爽やかに始まるようご用意しました。青い器に映る夏野菜の彩りには、過ぎゆく夏の鮮やかさも重なります。

小さなひと皿ではありますが、最初にどのような器で、どのような味わいをお届けするかによって、その後に続く会席の印象も変わります。八月の先付には八月らしい涼やかさを込め、季節の入口としてお出ししました。

名残の夏を惜しみながら、献立は次の季節へ。

器、食材、盛り付け、味わいを少しずつ変えながら、その時季ならではの景色を一皿に映していくことは、日本料理の楽しさのひとつです。

9月からは、秋へと移ろう季節の御料理で皆さまをお迎えいたします。

残暑の向こうに待つ秋の味わいも、どうぞ楽しみにお待ちください。

お食事のご予定がございましたら、お席や仕出し・会席・懐石についてもお気軽にお尋ねください。

本日8月15日、お盆も残すところあと二日となりました。今年も、お店へのご来店はもちろん、ご自宅でのお集まりに合わせてたくさんのご注文をいただき、多くの場所へお料理を配達させていただきました。安来家をお選びくださった皆さまに、心より御礼申し上げます。

ご家族やご親族が顔を合わせるお盆の食卓。

その大切なひとときに安来家のお料理を添えていただけることを、ありがたく感じております。

お届け先で皆さまが器を囲まれる様子を思いながら、一つひとつご用意いたしました。

暦の上では立秋を過ぎ、処暑へ向かう頃ですが、日中にはまだ夏の暑さが残ります。

今月の松花堂弁当にも、夏の食材やジュレを取り入れ、この時季ならではの献立をお詰めしています。

8月の松花堂弁当

今回の写真は、配達用の器でお持ちしている「松花堂弁当」です。四つに仕切られた器の中から、今月のお料理を二品ご紹介します。

左上は、今月の炊き合わせです。

賀茂茄子、鮎の唐揚げ、小芋を盛り、トマトと湯葉のあんをかけました。

上には叩いたオクラを飾っています。炊き合わせにトマトの色合いと湯葉を合わせ、8月のひと品としてご用意しました。

右下は、鱸と夏野菜の土佐酢ジュレがけです。鱸と夏野菜に、土佐酢をジュレにして合わせました。

暑さの続く時季に、鱸と夏野菜を召し上がっていただく一品です。

今月は、トマトと湯葉のあんを合わせた炊き合わせと、土佐酢をジュレにした鱸と夏野菜のお料理を、ひとつの松花堂弁当に盛り込みました。

あんかけとジュレ、それぞれの仕立てで、8月の献立に変化を添えています。

写真にはほかのお料理も収めていますが、松花堂弁当の内容は季節ごと、月ごとに変わります。

お届けしたお弁当に何が入っているのか、ひと品ずつ分かりやすくお楽しみいただけるよう、献立の紙もお付けしています。

蓋を開けたときだけでなく、献立を読みながら、その月の料理を味わっていただけましたら幸いです。

ご来店の会席料理でも、月替わりの季節の献立をご用意しております。

お店でゆっくり召し上がっていただく会席料理と、ご自宅やお集まりの席へお届けする松花堂弁当。

形は異なりますが、どちらにも、その時季に味わっていただきたい料理を取り入れています。

仕出しのお料理は、お店を離れた場所で召し上がっていただくものです。だからこそ、献立の内容が伝わることも、お食事の楽しみのひとつと考えています。

季節ごと・月替わりのお料理と献立の紙を通して、安来家の会席料理と同じように、移りゆく季節を感じていただける松花堂弁当を目指してまいります。

8月17日から19日まで振替休業いたします

安来家は、8月17日から19日まで、お盆の振替休業日とさせていただきます。

ご来店や配達をご予定の皆さまには、ご不便をおかけいたします。日程をお間違えのないよう、どうぞよろしくお願いいたします。

お盆が明けても、まだ暑い日が続きそうです。お休みの後も、ご来店での会席料理、松花堂弁当をはじめとする配達ともに、季節のお料理をご用意してまいります。

お盆期間中にご利用くださった皆さまへ、あらためて心より感謝申し上げます。これからも安来家をどうぞよろしくお願いいたします。

安来家の7月の炊き合わせは、夏の定番「いもたこなんきん」に、冷たい旨味出汁のジュレをかけてお出ししています。

暑い日が続くなか、ひと口ごとに少しでも涼味を感じていただきたいと考えた、盛夏のひと品です。

2026年7月18日は、二十四節気の小暑を過ぎ、7月23日の大暑へ向かう頃。

夏の暑さがいよいよ深まる時季だからこそ、日本料理では味わいだけでなく、温度や盛り付け、器の中の表情にも涼を映します。冷たいものを心地よい冷たさのまま召し上がっていただくことも、季節のおもてなしのひとつです。

今回の炊き合わせでは、いも、たこ、なんきんに、冷たい旨味出汁をジュレにして重ねました。

さらりと流れる出汁とはまた違い、きらきらとしたジュレが素材の間に留まることで、涼しげな仕立てになります。

炊き合わせと一緒に、冷たい出汁の旨味をゆっくり味わっていただければと思います。

手前にはヤングコーンを置き、上には花穂紫蘇をあしらいました。ひとつの器の中に、炊き合わせ、ジュレ、夏のあしらいを合わせ、暑い季節にも箸を運びたくなるような一皿を心がけています。

見た瞬間の涼やかさから、口にしたときの冷たさ、出汁の余韻まで、7月らしさを感じていただけましたら幸いです。

仕出しでも、冷たいジュレをそのままに

このひと品で大切にしているのが、店内だけでなく、仕出し弁当や配達でも温度を意識することです。

安来家では「温かいものは温かく、冷たいものは冷たく」という思いで、一つひとつのお料理をお作りしています。

料理に合った温度も味わいの一部と考え、お届けする場面でも、その良さをできる限り損なわない方法を重ねています。

仕出しでは、お作りした料理をお届け先で召し上がっていただきます。

そこで大切になるのは、店内と同じ献立をご用意することに加え、お届けしたときにどのような状態であるかまで考えることです。冷たい料理を冷たい状態でお届けすることは、暑い季節には特に大切です。

今回のジュレにも、仕出し屋として「食べるときのおいしさ」を大切にしてきた安来家の姿勢が表れています。

とりわけ暑い時季のジュレは、時間とともに溶けやすいものです。

そのため、仕出しではできるだけ直前にジュレをかけ、なるべく溶けないよう工夫しています。

冷たい旨味出汁のジュレを選んだことだけでなく、いつかけるかまで考えること。

小さな違いではありますが、召し上がるときの涼味を守るために欠かせないひと手間です。

安来家は、仕出し屋として始まりました。

お店の懐石料理と仕出し弁当では、器やお届けの方法が異なりますが、召し上がる方に季節を感じていただきたいという思いは変わりません。店内でお出しする懐石と変わらぬものを仕出し弁当でもお届けできるよう、ジュレをかけるタイミングをはじめ、お届けする直前までできることを考え、これからも工夫と改良を重ねてまいります。

いも、たこ、なんきんの親しみのある取り合わせに、冷たい旨味出汁のジュレを添えた7月の炊き合わせ。

ヤングコーンと花穂紫蘇のあしらいとともに、安来家ならではの夏の涼味をお楽しみください。

店内のお席でも、仕出しのお届け先でも、暑い一日のひとときが少しでも涼やかなものになればうれしく思います。

7月の八寸は、七夕の献立として、笹をあしらい、露打ちをした器で夏らしく盛り付けました。

小暑を過ぎ、大暑へ向かう7月は、暑さが日ごとに深まる頃です。

食卓には、涼しさを感じる器づかいや、酸味、香り、みずみずしさがよく合います。

今回の八寸では、七夕の笹を添え、器に露を打つことで、見た目にも涼やかな印象を大切にしました。

ひと品ずつの味わいを楽しみながら、盛夏へ向かう季節の気配を感じていただける内容です。

白い器には、もずくと長芋と新生姜の酢の物を。

もずくの口当たりに、長芋のなめらかさ、新生姜の香りが重なり、暑い時期にもすっと箸が進む一品です。

左のガラスの器には、きゅうりとじゅんさいのゼリー寄せをご用意しました。

透明感のある器とゼリー寄せの涼しげな表情が、七夕の献立にやさしい涼を添えています。

その下には、う巻を盛りました。いつものだし巻き卵を、2026年7月26日の土用の丑の日にちなんで、今回はうなぎを巻いた仕立てにしています。夏の献立の中に、土用の丑の日を少し先取りする楽しさを加えた一品です。

七夕の八寸に、夏の味を少しずつ

右側の木の板の上には、車海老、アスパラガス、鱧の子の卵寄せを合わせた三色物を置きました。

色合いの違う素材を並べることで、八寸らしい華やかさが生まれます。

横には、鯵のゆず味噌チーズを。アジをフライにし、その上にゆず味噌とモッツァレラチーズをかけて焼いています。和の香りとチーズのまろやかさが重なり、ひと口の中に少し意外性のある味わいが広がります。

真ん中には、さつまいものレモン煮を添えました。ほのかな甘みとレモンの香りが、献立の中でやわらかな箸休めになります。左下には、いちじくの生ハム包みを。いちじくの甘みと生ハムの塩味が寄り添い、夏の八寸に明るい印象を加えてくれます。

右下には、水茄子の小袖寿司をご用意しました。

ぬか漬けにした水茄子を小袖寿司にし、上にはポン酢で和えた鰹節と奴葱を飾っています。水茄子のみずみずしさに、鰹節と奴葱の香りが添わり、最後まで軽やかに召し上がっていただけます。

八寸は、献立の中で季節の挨拶のような役割を持つお料理です。

器、盛り付け、色合い、香り、行事の気配を少しずつ重ねながら、その月らしさを一皿に込めていきます。

今回は、七夕の笹と露打ちの涼やかさに、酢の物、ゼリー寄せ、う巻、三色物、揚げ焼き、煮物、寿司を取り合わせ、7月らしい夏の八寸に仕立てました。

安来家では、季節の懐石料理として、その時期に合わせた献立をご用意しております。

7月の八寸では、七夕の趣と土用の丑の日を思わせるう巻を通して、夏の味わいをゆっくりお楽しみくださいませ。

7月の椀物として、夏らしい鱧のお椀をご用意いたしました。

2026年は7月7日に小暑、7月23日に大暑を迎えます。梅雨明けの気配から盛夏へ向かう頃は、暑さの中にも、香りや余韻の涼しさがうれしい季節です。

椀物は、献立の中でも出汁の味わいをまっすぐに感じていただく一品。7月は、鱧を中心に、焼き茄子、冬瓜、梅、柚子を合わせ、夏の空気を映すお椀に仕立てました。

お椀の奥には焼き茄子を入れ、手前には湯引きした鱧を置いています。上には冬瓜をのせ、鱧の上には梅を添えました。

仕上げには振り柚子をし、蓋を開けた瞬間にふわりと香りが立つようにしています。

椀物は、器の蓋を開ける一瞬も含めて味わっていただくお料理です。湯気とともに立ち上がる柚子の香り、出汁のあたたかさ、梅のほのかな酸味。

口に運ぶ前から、夏の献立へ自然に気持ちが向かうような一椀を目指しています。

鱧、冬瓜、梅、柚子

湯引きした鱧は、夏の椀物らしい軽やかさを持ちながら、出汁の中でしっかりと存在感を見せてくれます。

梅の酸味を少し添えることで、暑い時期にも口に運びやすく、椀全体にきれいな印象が生まれます。

冬瓜は、淡い色合いとみずみずしさで、お椀に涼やかな表情を添えてくれる食材です。

奥に入れた焼き茄子は、夏野菜らしいやわらかさと香ばしさを持ち、鱧や冬瓜とはまた違う味わいの重なりを作ります。

そこへ柚子の香りが加わることで、最後のひと口まで夏らしい余韻が続きます。

それぞれの素材を強く主張させるのではなく、出汁の中でひとつの椀物としてまとまることを大切にしています。

鱧、焼き茄子、冬瓜、梅、柚子。夏の素材と香りが少しずつ重なり、懐石料理の流れの中で、次のお料理へ心地よくつながっていきます。

出汁を引くこと

安来家では、出汁の引き方をなによりも大切にしています。すべてのお料理の味が決まると言っても言い過ぎではないほど、出汁は日本料理の土台になるものです。

椀物では、その大切さが特にはっきりと表れます。

具材の香りや食感を受け止めながら、主張しすぎず、けれど物足りなくならない。

鱧、焼き茄子、冬瓜、梅、柚子のひとつひとつが自然につながるように、出汁が全体を支えています。

毎日同じように見える仕事でも、出汁はその日の温度や素材の状態に向き合いながら引いています。

安来家では、毎日大事に、丁寧に丁寧に出汁を引き、その日の献立へつなげています。

出汁の香りがきれいに立つと、椀物の印象だけでなく、その後に続くお料理の感じ方にも自然な流れが生まれます。

だからこそ、安来家では日々の基本の仕事を大切にし、季節の素材を受け止める出汁を丁寧に引いています。

7月の懐石料理では、盛夏へ向かう季節に合わせたお料理をご用意しております。夏の鱧のお椀を通して、出汁の香りと、旬の組み合わせをゆっくりお楽しみくださいませ。

7月の先付として、とうもろこしの擦り流しをご用意いたしました。

夏のはじまりに、さっぱりと召し上がっていただけることを大切にしながら、

ひと口の中にきちんと満足感が残るよう考えた一品です。

2026年は7月2日が半夏生、7月7日が小暑です。

夏至を過ぎ、七夕や小暑を迎える頃は、湿り気のある暑さから少しずつ盛夏の気配へと移っていきます。

冷たさや軽やかさがうれしい時期ですが、ただ軽いだけではなく、

食事のはじまりとして印象に残る味わいも大切にしたいところです。

今回の擦り流しは、とうもろこしを主役にした、涼やかな先付です。

器の蓋を開けたときに、夏らしい色の現れ、これから始まるお食事へ自然に気持ちが向かうような一皿を目指しました。

真ん中には、汲み上げ湯葉を合わせています。

とうもろこしのやさしい風味に、湯葉のなめらかな口あたりが重なり、軽やかでありながら、

すっと消えてしまわない余韻が生まれます。

夏の先付として重くなりすぎないようにしながら、ひと口ごとの厚みも感じていただける組み合わせです。

とうもろこしの擦り流しは、なめらかさの中に素材の甘みをどう残すかで印象が変わります。

今回は、口あたりをやさしくしながらも、中央に湯葉を置き、炙った帆立やとうもろこしを合わせることで、

香りと食感に小さな起伏を持たせました。

帆立は炙って香ばしさを添えました。

叩いたオクラの青みと、炙ったとうもろこし、ミニトマトを合わせることで、色合いにも味わいにも変化が出ます。

とうもろこしの擦り流しの中に、湯葉、帆立、オクラ、炙ったとうもろこし、ミニトマトが少しずつ表情を加え、最後まで単調にならない先付に仕立てています。

夏の料理は、涼しさだけに寄せると物足りなくなり、力強くしすぎると食事のはじまりには重たく感じられることがあります。今回は、とうもろこしのやわらかな甘みを軸に、湯葉のなめらかさ、帆立の香ばしさ、オクラの涼やかな口あたりを合わせ、夏の入口らしい軽さと満足感の両方を大切にしました。

先付は、会席の最初に季節をお伝えするお料理でもあります。7月の空気、器を開ける楽しみ、口に含んだときの温度や香り。そのひとつひとつが、後に続くお料理への流れを作ります。安来家では、月ごとの献立の中で、その時期に心地よい味わいを考えながらお料理をご用意しています。

また、安来家では店内でのお食事に加え、仕出しも承っております。ご家庭でのお集まり、法事や慶事のお席など、用途に合わせたお料理についてもご相談ください。

来店での御料理と変わらない季節のお料理を、ご予定に合わせてお届けできるようご用意いたします。

なお、安来家では大阪市プレミアム付商品券2026もご利用いただけます。

ご利用方法や最新のお知らせをご確認のうえ、お会計時にお声がけください。

暑さが深まっていく7月、まずは涼やかな先付から、季節の味わいをゆっくりお楽しみくださいませ。

7月に入りましたが、今回は6月の椀物をご紹介いたします。

6月は水無月。暦の言葉や季節の名を料理に映しながら、その時期ならではの一椀としてご用意したお料理です。

椀の上に配したのは、水無月に見立てた水無月豆腐です。

胡麻豆腐をねっとりするまでよく練り、小豆をのせています。

胡麻豆腐のなめらかさと、小豆の表情を合わせることで、水無月らしい趣を椀物の中に取り入れました。

水無月豆腐は、椀物の中で静かな存在感を持たせています。

よく練った胡麻豆腐のねっとりとした口あたりに、小豆が加わることで、水無月らしい余韻が残ります。

ひとつの見立てを、形だけでなく食感にもつなげることを意識したお料理です。

手前の白いものはアイナメです。関西ではアブラメと言ったほうが馴染みがある方も多いかもしれませんね。

アイナメは葛叩きにしており、口に含むと柔らかくほどけるような食感になります。

葛をまとわせることで、魚の身がやさしく包まれ、椀の中でも穏やかな存在感を出してくれます。

そこに小メロンを添え、上には茗荷と木の芽をあしらいました。

小メロンの淡い青み、茗荷の香り、木の芽の清々しさが加わることで、梅雨から夏へ向かう頃の涼やかさが生まれます。

具材の組み合わせだけでなく、香りや口あたりも含めて、季節の流れを一椀の中で感じていただけるように考えています。

椀物は、ひとつの器の中で料理の流れを作るお料理です。

主役になるもの、香りを添えるもの、季節の色を見せるものがそれぞれの役割を持ち、全体として一椀の景色になります。

今回の椀物では、水無月豆腐とアイナメを中心に、小メロン、茗荷、木の芽が夏へ向かう軽やかさを添えています。

2026年は7月2日が半夏生、7月7日が小暑です。夏至を過ぎ、小暑へ向かうこの頃は、湿り気のある暑さの中にも、少しずつ盛夏の気配が立ち上がってきます。6月の水無月の名残を残しながら、7月の入口へと移る時期にふさわしい椀物としてご用意しました。

7月に入ってから6月の椀物を振り返ると、ひと月ごとの料理が、暦とともに少しずつ移っていくことを改めて思います。

献立は過ぎた季節を惜しむだけでなく、次の季節へ橋をかけるものでもあります。

懐石料理では、旬の食材を使うことだけでなく、その月の空気や暦の節目をどう料理へ込めるかも大切にしています。見立て、器、香り、食感の重なりがあることで、ひと口ごとに季節の話が少しずつ広がります。

安来家では、これからも季節を捉える御料理をお届けしてまいります。

お料理の内容は月ごとの献立やその日の仕立てにより変わります。

ご来店の際は、その時期ならではの一品をゆっくりお楽しみください。

ご予定に合わせたお食事についても、お気軽にお尋ねくださいませ。

なお、安来家では大阪市プレミアム付商品券2026もご利用いただけます。

ご利用方法や最新のお知らせは公式サイトをご確認のうえ、お会計時にお声がけください。

6月の先付として、夏越しの祓と茅の輪くぐりを題材にした一品をご用意しております。

写真のしつらえは、半年の節目に行われる夏越しの祓を思わせるものです。

料理そのものだけでなく、器の中に季節の行事や祈りの気配をそっと映すことも、日本料理の楽しみのひとつです。

夏越しの祓は、6月末に行われる大祓のひとつです。神社本庁の説明では、大祓は日々の暮らしの中で身についた穢れや災厄の原因となるものを祓い清める神事で、6月の大祓を夏越の祓、12月の大祓を年越の祓と呼びます。

夏越しの祓では、茅や藁を束ねた茅の輪を神前に立て、これをくぐって無病息災を祈る神社も多くあります。

茅の輪くぐりは、一般には左、右、左と八の字を描くように三度くぐる作法が知られています。

ただし、細かな作法は神社によって異なります。由来としては、旅の神を貧しいながらも手厚くもてなした蘇民将来の故事と結びつけて語られることが多く、茅の輪は災厄を避け、残り半年を健やかに過ごす願いを込めたものとして受け継がれてきました。

また、夏越しの祓では、人の形をした紙の形代に穢れを移して祓う風習や、京都を中心に水無月という和菓子をいただく習わしも知られています。いずれも、暑さが本格化する前に身を清め、これからの季節を無事に過ごしたいという思いにつながっています。日本料理でも、こうした行事の背景を料理の形や器使いに映すことで、季節をより身近に感じていただけます。

今回の先付では、その茅の輪を料理のしつらえに取り入れています。6月は梅雨入りへ向かい、蒸し暑さも増していく季節です。その前に一度、心身を清め、夏を無事に越すことを願う夏越しの祓。そうした季節の意味を、最初の一皿に込めました。

左の器は、手前に甘鯛の酒蒸し、奥に茄子のお浸しを盛っています。甘鯛の上には鱗揚げを添え、やわらかな酒蒸しの口当たりに、香ばしさと軽い食感を重ねました。真ん中には、千切りにした生姜を揚げています。生姜の香りは、梅雨どきの料理にすっきりとした余韻を添えてくれます。

甘鯛の酒蒸しは、先付として重くなりすぎないよう、しっとりとした味わいを大切にしています。そこへ鱗揚げの香ばしさを添えることで、同じ甘鯛の中にもやわらかさと軽い歯ざわりが生まれます。茄子のお浸しは、涼を感じる一品として、6月の湿り気のある空気に寄り添います。揚げた千切り生姜は、香りで全体を引き締める役割です。

右の器は、島根のブランドアジ「どんちっちアジ」の薬味巻きです。どんちっちアジは、島根県西部沖で漁獲され、浜田に水揚げされるマアジのうち、平均脂質10%以上、サイズ50g以上などの基準を満たしたものとされています。脂ののったアジを薬味で巻くことで、旨みの厚みがありながら、先付として重くなりすぎない味わいになります。

どんちっちアジは脂ののりが特徴ですが、薬味を合わせることで、香りと後口の軽さが加わります。先付は、これから始まる料理の入口です。最初の一皿で強く押しすぎず、それでいて季節の印象が残るよう、甘鯛、茄子、生姜、どんちっちアジをそれぞれ違う表情で組み合わせました。

夏越しの祓は、過ぎた半年を振り返り、これからの半年を健やかに過ごすための節目です。安来家の先付でも、その行事をただ飾りとして使うのではなく、食材の香り、口当たり、涼しさとともに、6月ならではの祈りと季節の移ろいを感じていただけるように考えました。

阿倍野の日本料理 安来家では、季節の懐石料理を、その時期の行事や旬の食材に合わせてご用意しています。水無月の先付として、夏を迎える前のひとときをお楽しみいただければ幸いです。

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