阿倍野・安来家の日本料理が贈るおせち ― 職人の技が詰まった三段重のご紹介
秋の風が心地よく、朝晩には少し肌寒さを感じるようになり、季節はゆっくりと冬支度をはじめています。
そんな中、安来家では本年もおせち料理のご予約が始まりました。
今回から数回にわたって、阿倍野・安来家が誇る日本料理のおせちと、あわせてご注文いただける自家製ローストビーフや焼き鯛などの特別料理をご紹介してまいります。
第一回は、安来家のおせちの中でも最も豪華な「三段重」のご紹介です。
近年では、小分けに仕切られた現代的なおせちも増えていますが、
安来家では昔ながらの“仕切りを設けない詰め方”にこだわっています。
その理由は、見た目の華やかさだけでなく「一品一品をしっかり味わっていただきたい」という想い。
懐石料理や会席料理と同じく、季節の素材を丁寧に仕込み、旨味と彩りをぎっしりと詰め込んだ伝統的な日本料理の形を大切にしています。
壱の重から参の重まで、すべてに物語があります。

一番上の「参の重」には、新春を象徴する天然鯛の姿焼き。
その隣には、活きたまま湯がき香ばしく焼き上げた天然伊勢海老のからすみ掛け。
鮮やかな黄金色のからすみ粉が、晴れやかな新年の光を思わせます。
さらに、蛤の袱紗焼き、ずわい蟹と鮑、湯葉をあしらった柚子釜土佐酢ジュレ、そして笹の香りを添えた小鯛の笹寿司。
どれも正月の席を彩る華やかな一品です。
続く「弐の重」には、じっくりと時間をかけて焼き上げた鶏松風と袱紗卵。
その下には、艶やかに炊き上げた丹波黒豆。三日間かけてじっくり火を通し、黒豆本来の甘みと香りを引き出します。
さらに、筍や梅人参、蛸の柔らか煮などの炊き合わせが続きます。
中でも見どころは、鈴の形に美しく成形した鈴慈姑(くわい)。
毎年500個以上を料理人が一つひとつ手作業で剥き上げる根気のいる作業ですが、
この手間が“新年の祝い膳にふさわしい輝き”を生み出します。
形だけでなく、手仕事そのものが「お祝いの心」を伝える一皿となるのです。
おせちは食の芸術。
味はもちろん、香り、彩り、そして器の中の空気感までが一体となり、新しい年の幕開けを祝います。
安来家の会席・懐石料理の精神をそのまま詰め込んだおせちは、仕出しとしてご家庭へもお届けしております。
配達もすべてスタッフが直接お伺いし、心を込めてお渡しいたします。
現在も早くから多くのご予約を頂いており誠にありがとうございます。
10月の今はまだまだ余裕がございます。
大阪・阿倍野で長年愛されてきた安来家の日本料理を、ぜひご家族や大切な方と囲む新春の席でお楽しみください。
次回は、二段重のご紹介とあわせて、さらに詳しくおせちの魅力をお伝えいたします。
