母の日を過ぎた初夏の食卓。日本料理で大切にする季節の映し方
五月の第二日曜日を過ぎ、街の空気にも少し落ち着きが戻ってきました。
母の日のためにご家族で集まられた方もいれば、連休明けの慌ただしさの中で、少し遅れて感謝の席を用意される方もいらっしゃると思います。暦の上では立夏を迎え、春の名残と初夏の気配が重なるころです。
母の日当日はたくさんのお祝いの御料理をお作りさせて頂きました。
お祝いの席、そしてその空間でお喜びいただけること、何より嬉しく思います。
心より感謝申し上げます。

阿倍野の安来家では、この時期は季節の切り替わりを意識しながら、店内の懐石料理や仕出し料理に初夏の気配を映しています。
華やかに盛り込むだけではなく、食べ終えたあとにすっと気持ちが落ち着くような料理。初夏の日本料理には、そうした静かな心地よさがよく合います。
母の日の余韻と、家族の食卓
母の日は、特別な贈り物だけの日ではありません。
日ごろの感謝を、家族で囲む食卓の中で伝える日でもあります。外でゆっくり食事をされる方、ご自宅で仕出し料理を囲まれる方、それぞれに過ごし方があります。
安来家では、そうしたご家族の時間に合わせて、料理の流れや量、召し上がる方の年齢層にも気を配ります。ご年配の方がいらっしゃるお席では食べやすさを考え、お子様がいるお席では場が明るくなるような見え方も大切にします。
料理は、ただお腹を満たすためだけのものではありませんので、集まった方の会話が自然にほどけるように、そっと支える役割もあります。
立夏を過ぎたころの懐石
立夏を過ぎると、暦の上では夏に入ります。
とはいえ、五月中旬はまだ春のやわらかさも残る時期です。強い涼味に寄せすぎるには少し早く、春の名残だけでは季節が止まってしまいます。
この頃の懐石では、軽やかさと落ち着きの間を探るように献立を考えます。出汁の旨みを土台にしながら、香りは重くしすぎず、口当たりはやさしく。季節が一段進んだことを、無理なく感じていただけるように仕立てます。
安来家では、料理によって鮪節と真昆布の一番出汁を使います。出汁の輪郭がはっきりしていると、椀物や炊き合わせの印象も自然にまとまります。派手に主張するものではありませんが、料理全体の芯になる大切な仕事です。
季節を伝えること
日本料理では、料理そのものだけでなく、器や流れも季節を伝える大切な要素です。
五月中旬は、色を強く出しすぎるよりも、青みや余白を生かした見せ方がよく合います。端午の節句の力強さが過ぎたあと、少し落ち着いた初夏の気配を、器の色合いや盛り付けの間合いで感じていただくような考え方です。
懐石は、一品だけで完結するものではなく、先付から椀物、八寸、炊き合わせへと進む中で、味の濃淡や温度、明るさを少しずつ変えていきます。
食べ進めるうちに、春の余韻から初夏の軽やかさへ自然に移っていく。そうした流れを作ることも、安来家が大切にしている仕事のひとつです。
仕出しにも、季節の加減を
店内でのお食事だけでなく、仕出し料理にも季節の考え方があります。
仕出しでは、冷めても味がぼやけないように、汁気や詰め方を調整します。配達の時間、召し上がるまでの間、蓋を開けたときの見え方。そうした点を考えながら、料理を箱の中に収めていきます。
五月は、ご家族のお祝い、法事、会社でのお食事など、さまざまな集まりが重なる時期です。重たすぎず、けれど簡素になりすぎない。初夏の仕出しには、そのような加減が合うように思います。
ご自宅でゆっくり過ごしたい日や、会社で大切なお客様を迎える日にも、御料理で季節を感じていただければ幸いです。
阿倍野で、初夏のひとときを
母の日が過ぎ、連休の余韻も少しずつ日常へ戻っていくころ。
こうした時期だからこそ、ゆっくりと食事をする時間が、気持ちを少し軽くしてくれることがあります。阿倍野の安来家では、季節の流れを料理に映しながら、店内での懐石料理や仕出し料理をご用意しています。
大切な方とのお食事、ご家族の集まり、少し改まった会食など、ご予定に合わせたお料理については、いつでもお気軽にご相談くださいませ。
